Bloomberg報道によれば、米リッチモンド連銀
のバーキン総裁は
1970年代のような政策ミスを回避すべく、インフレが目標値の2%で推移
することが明確になるまでは
景気に弱さが見られたとしても
利上げを継続する必要があるとの見方を
示したとする。
高インフレ対策に窮したFRBが意識する
のはボルカー議長時代。
長く、FRBの政策金利のガイダンスであった
テーラールールとの乖離は依然大きい。
現在のテーラールースが示す政策金利は
8%である。足元は更に上昇しそうな
状況である。

インフレ年率9%を抑え込むには急激な
利上げが必要である。この辺りの判断が
バーキン総裁の発言にあるように思う。
米国消費は消費者ローンの急増から見ると
インフレを前に駆け込み需要が起きている
という見方も出ている。
とすれば、高インフレが継続する。
短期的な市場の楽観は今秋にかけて
大きな失望に変わる可能性が依然高い。
今秋の注目は、債務超過に苦しむ
限界企業の信用リスク破綻。

市場のアノマリーでも要注意の秋
特に今年の秋の動きは要注意である。
FRB、日銀の金融政策で揺れた金融市場
は乱高下であった。
完全に金融政策を失敗していると考えて
よいだろう。
例えば、FRBは長く金融政策(FFレートIの
ガイドラインとしてテーラールールに従った
一貫性を保っていた。
イエレン財務長官もテーラールールについて
論文を書き、このルールに従ってきた。
しかし、後任パウエル議長とイエレン財務
長官は自らこのガイドラインを逸脱し、果ては
インフレ見通しの誤りを認め、金融政策を完全に
間違ってしまった。
件のテーラールールでは現状は8~9%の
レベルであり、現在のFFレート1.5~1.7%からは
途方もなく乖離している。

インフレの原因は世界的な異次元金融緩和。
これにサプライサイド寸断と
米国によって誘導されたロシア制裁による
資源ひっ迫
目先のインフレが幾分和らいでも、歴史的な
インフレ転換が起こった以上本格的なインフレ
鎮静化には
大幅かつ長期の利上げと量的金融引き締め
が必要となる。
FRBが果敢な利上げを継続した場合
金融政策で孤児となった日銀はどうするのか?
最悪の想定は
円安放置で強烈なインフレによる緩慢な国債
の徳政令か
利上げ断行による世界の金主の破綻で
世界金融危機の引き金を引くのか
どちらにしても金融政策の失敗でトタンの
苦しみは日本国民になる。その時は、おそらく
黒田総裁は退任しているだろう。
これが妄想であれば良いが、、、。