fc2ブログ

大きなツケは来年に支払う

2023. . 02
FRBパウエル議長は週末、市場の早期
利下げ観測をけん制したが、米債券市場
では利上げ終了を見込み、米長期金利は
急速に低下した。

指標となる10年物国債の利回りは9月上
旬以来の低水準で取引を終えた。

市場の判断は、利下げに転じるとの
読みである。

なぜ、市場はそう思ったか?これな
パウエル議長の発言を読み取ったと
いうが、そんなことではないだろう。

これまで、自ら無視続けた金融政策
ガイドラインに流石に戻るという見方
のように考える。


FRBは、経済政策を調整するために
テーラールール(Tailor Rule)と呼ばれる
ルールを採用している。

テーラールールは、中央銀行が金融政策
を調整する際に使用するルールの一つで、
特定の経済指標に基づいて適切な金利水準
を設定するためのガイドラインを提供する。

詳しくはかなり専門的なので省略して
テーラールールと金融政策金利FF
を確認すると

      テーラールール1201

急速かつ大幅な利上げが漸く妥当な
水準に到達していることが分かる。

しかし喜んではいられない。もし利下げ
という段階では必ず景気後退を迎える。


つまり、利上げ終了によって、号砲が鳴り、
今度は深刻な景気後退と株式下落が
開始する可能性が高くなる。

来年はこれまでの累積的な大きなツケを支払う
年となる。




スポンサーサイト



中国不動産破綻の影響

2023. . 02
BRICS会議の重要性高くなってきたが
その中心的な中国では長く懸念されてきた
不動産開発会社に債務超過リスク
が現実のものとなりつつある。

主要11社の6月末の開発用不動産(開発用地)
は約6兆3500億元(約130兆円)、この評価額が
およそ3割下落すれば現在の資本は枯渇し、
債務超過に転落するとされる。
(日経8月31日)

中国における不動産バブル破綻は
世界的な金融危機より世界的な経済危機
に発展する可能性の方が心配される。

中国経済の変動によって大きな影響は
特定の産業に依存している場合、
その産業が中国で需要が減ると、
大きな打撃を受ける。

中国との貿易が占めるGDPの割合で大きく
依存している主要産業は

台湾 約30%        半導体
韓国 約25%        電子機器、自動車
オーストラリア約22%    鉱鉱資源(特に鉄鉱石)
ベトナム 約20%       製造業
アンゴラ 約50%       石油
ザンビア 約30%       銅
ブラジル 約18%       農産物(大豆)、鉱鉱資源
チリ 約24%         銅
サウジアラビア約16%     石油
ロシア 約14%       エネルギー資源(石油、ガス)

アジア太平洋、アフリカ、中東と新興国やBRICSでの
大きな影響が懸念される。

一方、輸出先の米国は相対的に大きな影響を
受けない。新BRICS台頭が著しいなか、今後の
中国経済の行方は世界の覇権がどうなるか
ますます注目される。

AIに夢を見る株式市場

2023. . 15
後手に回り続けたFRBで利上げを主導
したブラード総裁が13日、13日付で退任した。

近年はインフレ抑制を優先する強い姿勢がで
歴史的な高インフレとなった2022年の利上げ
局面では大幅な利上げを積極的に支持して
きた。

インフレファイターがFRBを去る中、
先週発表のCPIは3%と12カ月連続の
低下で、金融市場では先行きを探る
逆イールド(短期金利が長期金利より高い)
が注目され、利上げが最終局面ではという
楽観が広がった。

        イールド実際0715

これは、以下に示すような景気とイールド
カーブ(期間毎の金利水準を結んだ曲線)
の関係があるからだ。

     イールドカーブ0715
    

現在は利下げ予想が出てくる局面に
差し掛かっていると市場は考えている。

先々の景気後退が起こることを市場は
予想し、債券や株式は動きだす。

特に株式市場では、景気後退で企業収益が
悪化する中、成長株に注目が集まる。

成長株は景気後退の底入れから半年から
1年前に底入れとなるはずで、現在は景気
後退と不況が2024年にかけて起こり
来年には利下げが始まるとみているという
ことだ。

そして、株式市場は今はその成長をAIに
夢をみている。夢が現実となるかは、今後の
不況の深さ次第だろう。









もう一段 金利上昇が迫る!

2023. . 08
100カ国以上が参加し、フランスやドイツ、
イタリアなどが締約国に含まれるクラスター弾の
使用や製造を禁じるオスロ条約にかかわらず

米国はスラスター弾供給に転じた。

理由の大きな点はやはり既に西側供給の弾丸不足
である。一方、ロシア軍は西側メディアが喧伝する状況
にはない。

実質的に米露兵による戦闘となっている戦争の
長期化と激化は次第に避けられなくなってきた
ようになりつつある。

戦争の長期化、泥沼化は国際商品価格の上昇
が継続することを意味する。

そして、先週は米国労働市場が依然として堅調で
賃金上昇率が鈍化していないことを示した。

FRBの政策金利ガイダンスとするテーラー教授が
示すようにまだ金利上昇は足りない。

この辺りは以前より指摘しているように最終的な
長期金利の上昇は大幅になるという考えに
変わりはない。

テクニカル上は最終5波が開始しる展開にある。
もう1%超の5%半ばでもおかしくない。

      米金利1020230708

もうすでに詰んだ状況に追い込まれた
日本はどうするのか。

激変が差し迫ってきた。

後手、甘すぎるFRB

2023. . 03
米労働省が2日発表した5月の雇用統計
は非農業部門の就業者数は前月から
33万9000人増加、失業率は3.7%と
4月の3.4%から上昇。

そして、平均時給は市場予想通り、
前月から0.3%上昇、前年同月比では
4.3%の上昇。

       賃金上昇0603

米国の人手不足は長期化してインフレ
に大きな要素である賃金上昇は鈍化して
いるといえ堅調に推移している。

総合して、これまでの筆者の見方は依然
FRBは後手に回り続けていて、利上げを
たとえ一時的な停止をしても基本的に
続けるしかないとなる。

小刻みに停止をすると最終的な
金利引き上げの到達点は高くなる
可能性すらある。

一言でいえば、FRBは甘すぎ

結果、じわじわと中小地銀の
ポートフォリオは悪化し、追い込まれ
クレジットクランチが広がる可能性が
高まる。

銀行株と信用リスクを示す
イールドスプレッドの関係はいつも
興味深いが、現在は極めて微妙な
状況にある。

       地銀2

金融当局により今のところ信用リスク
が抑え込まれているが、地銀の破綻が
さらに続けば

信用リスク顕在化はこれからである。

米国債務上限引き上げという政治
ショーはいつものように終わったようだが

夏場に向けて予想外の事態に要注意









 HOME