欧州連合(EU)とまとめた離脱協定案が29日、議会で三たび否決され
残された選択肢は「合意なき離脱」か「離脱の長期延期」の2つ。
英国は4月12日までに今後の方針をEUに示す必要があるが、議会で
過半数を得られる代替案のめどは立たない。戦後の英国にとって
経済金融最大の危機に直面している。
英国経済は、出口のない異次元金融緩和の日本の先を考える時
大きな教訓を示している。
英国は、異次元緩和の源流である金融抑圧を50年間継続し、結果、
英国病と揶揄される経済低迷を経験した。それを打ち破るのが
サッチヤ―首相である。しかし、往時の英国復活とはならない。
金融抑圧の結果は、強烈な通貨安と高インフレ。金融抑圧の
末路は同じであろう。金融抑圧により、日本も高インフレと
強烈な円安が先々で待っている。
さて、ポンド・ドルだが、正確な95カ月サイクルで推移している。
95カ月は、詳細は割愛するが、ほぼ8年の黄金分割サイクル。

前回のボトムが2017年であるから次回のボトムは2025年で、
筆者が主張する新国際通貨制度が始まる年。
いずれにしても、前回の2017年ボトムからまだ2年余りで、
対ドル下落トレンドは一旦小休止の時間帯である。更に
溶解してしまうとは考えにくい、むしろ、ポンド復活は近い。
英映画「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を
救った男」はフィクションの部分もあるが、英国では
「いま失われている政治的な指導力」を懐かしみ映画館
はスタンディングオベーションであったと聞く。
二大政党制の限界が言われているが、かつて世界を救った
政治的な成熟度は他の追随を許さない。喧々諤々の
議論の末、英国は新たな道を拓くだろうと筆者は楽観的
に考えている。
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